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  • 執筆者の写真朝野裕一

正常な動きとは?

日常生活の中で人は様々な動きをするわけですが、そこに正常と異常の

区別はあるのでしょうか?

そもそも、

正常な動きってなんでしょう?

なんとなく私たちは正常と異常の違いを知っている気がしていますが、

改めて正常とは何?と問われると、必ずしも厳密に答えることができ

ないのではないでしょうか。

結論から先に言えば、

正常とは動きを自由に選択できること、運動の自由度を指すと言って

いいでしょう。

ですから、

正常と異常の区別は実はクッキリと分けられるとは限らないのです。

でも、

明らかにこの動きは異常だなというものは存在します。

様々な疾患の医学的診断において、典型的な異常運動がその決め手の

一つになることがあります。

病的な動きとも言われます。

一方で、

私たちがイメージする正常な動きには、あるパターンがあることも

事実です。

正常パターンと呼ばれるものです。

歩行についても正常歩行という概念が存在します。

足が地面に着く時はこういう動きで、その次に膝がどう動くか、股関節

は?地面に両足がつくのは一歩行周期の何%くらい、腕と足の振りは

どう行われる、など一つの固定されたパターンが紹介されます。

しかし、

人は常に正常パターンで歩いているわけでは決してありません。

地面の状況や、歩く目的(急いで職場に行く、のんびり散歩をする...)

気分が乗っている時と落ち込んでいる時、などざまな条件によって、

歩き方は変わってきます。

また、

その人の年齢、体格や体力・筋力などによっても歩き方は変わります。

典型的な歩き方=正常歩行と限定するのは実は正しい考え方ではない

かもしれません。

正常というには、歩き方を自由に選ぶことができる、あるいは状況に

よって変えることができる(必ずしも意図的とは限りませんが)、

ということが必要です。

以上のことをまとめてみると、

・異常な動きは明らかに判別がつきやすい、

・正常な動きはある型にハマったパターンが紹介されるが、

・人は必ずしもパターン化された動きを常にしているわけではない

・正常と異常の区別は比較的(境界線が見)つけやすいが、

・正常とはここまで、という決まった線引きはできにくい

結論として、

・正常とは、動きの自由度が高い状態である

・時に異常な動きも含めて、自由に動きを選択できることが正常を

示す指標である

ということが言えると思います。

概念図で表すとこんな感じです↓

運動を指導する際によくあるのは、正常パターンと言われる型にハマっ

た動きを習得するように促すことです。

これが間違いだと断定することはできないのですが、型にハマった動き

は、一方で運動の自由度を損ねているということも事実です。

その点を理解した上で運動を指導していかないと、

決まり切ったパターン運動の習得だけに、目的を限定してしまう、

その代償として、

環境変化などに伴った動きの自由度を獲得しきれないというデメリット

が生じる可能性もあるということを意識していなければなりません。

正常な動きとは、

自由自在にコントロールできる能力を保証するものだということを、

銘記していなければならないと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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